2008年07月19日

東山道転墜異聞(完) 全02巻

【東山道転墜異聞】 全02巻  /中村 春菊

お家騒動で、松平家の嫡男修理を守って死んだ兄の平九郎。修理は追っ手から逃げながら、平九郎の弟、郡司に助けられる。
松平家の家督は譲ったのだが、まだ追っ手は諦めず。

デビュー作。
デビュー作とは思えない。同人をやっていたとしても、描き慣れている。
ダントツの才能なんだな。それがよくわかる。
絵はこの頃の方が素晴らしい。うまい!美しい。カラーしびれる。
京都在住もあってなのか、着物などにも詳しいのだろう。目次の、雪輪紋に芍薬、菊が舞う構図など泣ける。この当時の絵柄に戻っていただけないものか……。時間がかかって量産できないのだろうな。
2巻目はだいぶ後になって描かれていて、装丁も1巻に比べるとだいぶ落ちる。残念。絵も変わってきてしまっている。ああ。
1巻は修理と郡司の話。2巻はそれ以前、平九郎との話。
2巻は泣けた。大泣きした。ストーリーメイクの腕は衰えず。

一所懸命やってそれで認められなかったら、自分は一体なんなのだ。それなら最初から何もしない。畏れてそう考える人は少なくない。いつだって、自分は自分以外の何者にもなれない。それは「何かを成し得て」できた自分ではなく、ありのまま、ここに在る自分を認めること。
「諦めることに気づくのも前進」。この作家も肚を括った作家なのだと気づく。でないと、この台詞は使えない。
ついつい読み入ってしまう。内容も、コンテの切り方もうまくていいなぁ。
面白くて好きだけどこれからの新作はロマンチカ路線はもうやめて、こっちの世界を描いてほしいけど、売れるのはきっとあちらなんだろうな。
                         2008/2/19

《こんな人におススメ》ロマンチカしか知らない春菊ファンは是非に。
《こんな時におススメ》真剣に生きるってこと、考えたい時にも。
《こんなふうにおススメ》大きな背景があっての時代物。どっぷり浸るのもオツです。カラーや細かいところの美しさも堪能できます。



ラベル:中村春菊
posted by zakuro at 00:04| Comment(0) | 漫画-BL系 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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