2008年08月21日

それを言ったらおしまいよ

【それを言ったらおしまいよ】 全01巻  /よしなが ふみ

短篇集。
・表題作。耕平と崇。同級生同士。耕平は実家の医院を継ぐべく医者に、売れない作詞家の崇に食事を持っていき、その面倒を見続けるが。
・「私の永遠の恋人」 病気のアーサーは無菌状態のお屋敷で、アンドロイドのミズ・ハミルトンと暮らしている。人形師の兄に頼みセクサロイドを送ってもらうが。
・「おとぎの国」 気づいたらその街にはひとりも人がいなくて。一ヶ月ぶりに出会った人間は子どもだった。
・「ある五月」 大学教授と料理屋をやっている女将との再婚話。
・「ピアニスト」 挫折したことの本当の理由を認められない元有名ピアニストの男と、声をかけてきた大学生の話。

どの話も濃い。うまくまとまっていて、完成された一枚の絵画を観るような満足感がある。じっくり読んでしっかり自分に落とし込みたいと思えるくらい。
全体的に「身につまされる」話が多い。特に、BLではない再婚の年配夫婦の話は、生きてきた人生で身に付いたものは新しい環境で早々変えられるわけでもなく……身につまされた。
自分の肯定化。それをこの作家はテーマにし続けている気がした。
人生の裏側をしっかり見ていくってことなんだろうな、BLを書き続けるってことは。
タイトルは、この表紙と裏表紙の話から? なのか?
すごいタイトル。かつて銀座で一番の店のママにインタビューした時。言ってはいけない言葉を聞いた。「それを言っちゃおしまいってことは、絶対に言わない。男性は追いつめてはいけないの」 すべての人に通じるのかもしれない。
                         2008/6/19

《こんなふうにおススメ》
大人になればなるほど、自分を見つめ直すって難しくなる。そういう意味では突きつけられて“痛い”作品。



UP追記>
19歳のときに『幻魔大戦』シリーズ(未完)を読破して、いまだに覚えているんだけど(苦笑)、井澤郁江が箱根のセミナーに行く途中で、役行者と知り合いの大角に会うシーン(よく覚えてるな、呆れる)。
郁江が自己反省の仕方を語るわけです。なんか自己啓発セミナーみたいな内容なんだけど、それを丁寧にやっていたら人生は豊かになるだろうなと感じました。しかし……ずっと先送りして未だにやっていません。あれから数えるとダブルスコアなのに……。
でもあんまり“正しい”人であっても、味はないよね。難しいところだ。

なんでもっと早く漫画に出逢わなかったんだろう、って思ってきましたが、最近はこの年齢で良かった気がします。その分、普通の本を読んできたことは大きなプラス。
漫画も深くて、今でなければわからない内容も多いです。
そして。子どものときに回し読みして、大好きだった漫画たちはまだ読まずに取ってあります。今ならどう感じるんだろう? 3,000冊を越えたら読んでみようと思っています。


ラベル:よしながふみ
posted by zakuro at 00:00| Comment(0) | 漫画-BL系 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:

認証コード: [必須入力]


※画像の中の文字を半角で入力してください。
×

この広告は180日以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。