中高一貫教育の男子校、朔稜学園は全寮制。学習環境を守るため、山奥にある超進学校。
数学教師の荒塚香は厳しくて、生徒は「絶対凍土のアラスカ」と呼ぶ。
職員寮の隣りに入居してきた熊男は、鈴木晃太。新しい校医だが事情を知らなかった香には怪しい男にしか見えず、しかも鍵を失くした香は晃太の部屋に泊まる羽目になり身体を弄ばれてしまう。
実は晃太の初恋が香で、かつての教え子だったのだ。
ひとことで言うと、「うまいなぁー」
BL好きにはたまらない萌え要素たっぷりの一冊。
初恋の人を追いかけてきた晃太がむりやり迫っちゃうとことか、ジェラシーから恋心に気づかされる香とか、晃太を好きな男が香を監禁して香ファンの生徒にレイプさせようとするところを寸止めとか。
細かいとこだと、クールで上から目線の眼鏡受けに、犬気質の年下攻めとか、今風THE BL!って感じなのだ。
しかも、スィート好きなら堪らないと思う。
とにかく良く出来ているし、面白いだけに、最近考えることがある。
この、BL的萌え記号がわからなかったら、いかがなものなんだろう。面白いのだろうか?
BLマーケットというのは、いつまでも同人系の延長にあって、「わかる人にだけわかれば良い」が大前提。馴染んでないとさっばりわからない作品も多いのも事実。
でも出版サイドの立ち位置ははっきりしていて、マーケットのパイが小さくても確実に売れる方を狙う。これはビジネスの基本。
もちろん、「BLのセカイを世の人々に知ってもらって、文化としてこの国の寄与に貢献したいものだわね」などとは、誰も思っていないのだが……。
つまり、何が言いたいのかというと、すっかり飼い馴らされて、まんまと面白いと感じてしまうのが悔しいのだ。
その慣れちゃった感が、ね。
この作品、ふつーに面白いです、おススメ。
2009/7/25
《こんなふうにおススメ》
良作です。万遍なくおススメ。
BL初心者の感想を聞きたいです。
ラベル:深井結己
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