2010年04月17日

櫻狩り (完) 全03巻

【櫻狩り】 (完) 全03巻  /渡瀬 悠宇

時代は大正。
田神正崇(たがみまさたか)は故郷の駿河の国で優秀だったが、第一次大戦後の恐慌で、郷で書いてもらった紹介状は無になる。
道中、馬車に轢かれそうになった女性を助け、その相手の侯爵家の長男、斎木蒼磨(さいきそうま)を知り、その家に奉公を頼み込む。
正崇は蒼磨に忠誠を誓うが、蒼磨は自分を殺してくれと言う。
同じ書生の寺島伸人(のぶひと)は、正崇に対して危機感を覚え、蒼磨に首にするよう頼み込むが……。狂った斎木家に正崇は飲み込まれていく。

flowers増刊「凜花」で連載。一般作品にすべきかうんと悩んだけど、「窮鼠はチーズの夢を見る」の、窮鼠シリーズはBL扱いにしたので、こちらに。
これほどの人気作家がこういう作品を描くだけで、敬意を憶える。

時代設定が古いので、あえて変形のコマ割をしていない。充分にダイナミックな演出ができるのに、それも避けている。
絵もこんなに変えられるものなんだなー。

台詞も旧仮名遣いで、世界観に合っている。「飽いた」という表現を使っていたり、和歌を巧みに取り込んだり、ひとつひとつが面白い。

重い話なのに、一気に引き込み他所を見させない手腕に感服。
内容は、同性愛ということよりもっと深くて、このあたりは最終巻まで読んでから語りたい。
今は続きが気になって仕方ない。
                         2009/8/16、8/23UP

《こんなふうにおススメ》
なんだかとってもすごい作品です。最後まで読んでから、感想を言いたい。
こちらにカテゴライズした理由が、性描写が激しいから。
こんな重い作品と同時期に、週刊少年サンデーで、ダイナミックな冒険ファンタジー連載できるのもすごい。

3巻/
蒼磨は正崇を守るため、医師の葛城を手にかける。弟の貢が倒れ実家に戻る。恩師に会い正崇は決意する。蒼磨と向き合い、斎木の闇に陽を当てる。

完結。すごい。実力のある作家さんの本気。すっかりファン。

何度もじっくり読み直したい作品。どんな言葉も軽くなる。
自分の存在が自己肯定できない、生まれ、育ち、生い立ちにトラウマのある人に読んでほしい。きっと救われる。私自身、心の深いところから深呼吸できた気がする。感謝。

なかなか感想まで辿り着けなかった。
「人間は人間の中でしか磨かれない」唸った。
いつかこの話のその後を読んでみたい。
                         2010/3/20


ラベル:渡瀬悠宇
posted by zakuro at 00:01| Comment(0) | 漫画-BL系 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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