2009年10月12日

トロンプルイユの指先

【トロンプルイユの指先】 全01巻  /加東 セツコ

短編集。
・「目の覚めるような」
大学生の敬助は塾に弟の勇助を迎えに行く。
目的はいつの間にか、講師の村上に会うことになっていた。

・「弦 満ちどき」
教師の山崎は弓道部の顧問。八木忠輝が入部した時は、弓の才能もなさそうな小柄な生徒だった。
それでも熱心でそれが可愛くて指導にも熱がこもった。その八木は自分に執着して。

・「われなべ、とじぶた」
内水真澄に新木悠人がはじめて話しかけた台詞は衝撃だった。

・「木ノ下 闇」
拓真が中学の時、父が再婚し母と兄の基春ができる。義母はすぐに事故で亡くなり、父が義兄を押し倒しているのを見る。

・「貸し借りゼロ」
宮部は、医局の同期で出身校も同じの遠山と、周囲から比べられて意識していた。
実はその思いはお互いに別にあって。

・表題作。
三田有友は彼女と別れた腹いせに、貰ったり、見繕って貰ったモノを全部捨ててしまう。
ネクタイもすでになく、慌てて飛びこんだ百貨店で大谷に見繕って貰い……。
周囲にセンスを褒められ、給料日後に大谷を予約する。これは描き下ろし。

評判が良かったので手に取る。
ありそうなんだけど、視点が微妙に新鮮で、こういう「あー、そういうのもありだよねー」が人気なのもわかる。
BLファンは読み尽くしていくから、似たようなのは飽きていく。送り出す側は辛いよねー。

背景の描きこみが少ない分、メリハリが効いて見える。緊張感がある部分にはとくに人物が浮き立って見えるので、読み手も集中できる。なるほど。

作品の合間に繰り広げられる椅子の上でのラブシーン。一見パラパラ漫画のようだけど、読み終わったばかりの人物が描かれていて、こういう遊び心に感心。
これも含めて表題なのだろうな。
「トロンプルイユ」とは騙し絵のこと。インテリアの壁面にはよく見られる。
ファッションで使う時は、巧妙にネクタイとか描かれていて、締めているようにみえて実は絵だったっていう、あれです。
丁寧に作られた単行本で嬉しい。編集者が応援してるんだろうな。

長編の方が向いてるんじゃないだろうか。
次作も読みたくなる。最近立て続けに発売されたらしいので。
                         2009/10/04

《こんなふうにおススメ》
落ち着いた絵で、しかも捻りも良い。
BL慣れの人も楽しめる。



ラベル:加東セツコ
posted by zakuro at 00:00| Comment(0) | 漫画-BL系 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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