・表題作。
石川淳(じゅん)が知る限り、山口は相当のタラシ。この一年で12人の女とつきあい、しかも振られ続けている。
背が高くてイケメンの山口のもてっぷり、大抵の男子は気にくわない。淳も意地悪で、「振られたのならカラダで慰めてやる」とからかったが、そのまま本気にされて。
山口が振られるたびに情事が続く。
・「後姿の夏の猫」
優等生のまま生きてきた中津。病院で再検査の告知を受け、ぼんやりと帰る道すがら、死んだはずの同級生、宮下充と会う。
面白い。
表題作はとにかく可愛い話だー。主人公の一人語りのぐるぐるにきゅんとくる。表情がコロコロ変わるのも可愛い。
話作りの上手い作家さんと思う。
流れるように読める、そんな作品を描けるってすごい。
もうひとつの作品も良かった。
2009/11/10
《こんなふうにおススメ》
楽しくってじんわりもくる。オススメ。
ラベル:国枝彩香
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