青春メインの短篇集。
・表題作。
芦野圭市がストリートミュージシャンをやっているのは、一緒に組んでいる菱沢春太が好きだから。ずっと一緒にいたいから。
・「好きって言わない!」
双子の兄和実のセックスフレンドの八木沢陽介に告白され続けている椎名二葉。けど素直になれない。
・「好きかもしれない」
前の話の、和実が主役。陽介と二葉のふたりを見ているのが辛くて、気持ちのやり場のない時に他校の生徒加藤元から告白される。
描き下ろしの「好きって言えない」も。
・「Cheap trick」
大学教授に想いがある植田。家庭内暴力の話を聞いて興味を持ち、家に押し掛ける。
その息子の尚人を誘惑しながら、教授への歪んだ愛情を思う。
・「呼吸困難」
大野と斉藤有介は中学の頃から陸上のライバル。大野が怪我で陸上を諦めた後から恋人の関係になった。有介の調子は上がらなくて荒れる。
・「見つめてほしい」
会社の休憩室でみかけるキレイな人。気になっていたら就業後に男とキスしているのを目撃してしまった浅生き(あさい)。
そして社内の飲み会で灰谷の名を知る。泥酔した灰谷を連れて帰るが。
友情の延長線上にセックスもあれば、たしかにもっとわかりあえることもある。そうなると同性同士でできるっていいよね。改めてそんなことに考えてしまった。
アートっぽさはなくなったな。ちょっと残念。
さらりと読みやすい。
2008/3/18
UPのため再読。2年近く前の感想が面白い。
2010/1/08
《こんなふうにおススメ》
この作風、好きです。詩的な余韻はある。
ラベル:かいやたつみ
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